タイ国鉄 有数の車窓美! 壮大な人造湖上を走る 東北線ケンコーイ⇔ブワヤイ間のバイパス線


この路線の存在はNHKで放映された「中井精也のてつたび」で知りました。

タイ国鉄 東北本線は、ケンコーイ⇔ナコンラチャシーマー間で、峠越えの区間があり、これを迂回してタイ北部を結ぶためにこのバイパス線が建設されたそうです。(1967年全通)

途中パサック・ジョンラシットダムというタイでも大きなダムの人造湖を走行するのですが、この区間は、湖畔を走るのではなく、湖の中に立派な橋を架橋して、湖の上を走行するので、車窓が楽しめる区間としてタイ国内でも有名なのだそうで、週末には首都バンコクから直通の臨時列車運行もあるようです。(私はタイ語が読めないので、タイ語の案内はあるようですが、詳細不明です)

しかし、通常運行のダイヤは、元々がバイパス線という性格上、貨物や通過型の優等列車が大半で、車窓を楽しめる昼行のダイヤは各停(鈍行)が1日2往復(他に朝夕の区間便が1往復)、バンコクから直通の気動車急行が1日1往復のみという閑散ぶり。この各停(鈍行)には、日本(日立)で50年前に製造された旧型気動車のRHN型が運用されていることを知り、2019年10月末~に訪問できました。




10月31日

福岡8:20⇒バンコク ドンムアン12:05

エアアジアXJ637

なお行程表上の列車番号「D」(ディーゼル動車)の表示は、日本流に私が勝手に記載しているだけで、タイ国鉄にはありません。


さて今夜の宿は20時始発、東北本線 第25列車 ノンカーイ行き 新型夜行の個室寝台車。約650km乗って個室料込みで5000円。良心的な庶民価格で嬉しい。 「旅の始まりは個室寝台車で…」! 個室寝台に乗るのは何年ぶりだろう・・・。

鉄オッサン嬉しくて、動画では、疑似車内放送まで始めちゃいます。

(後日、日本国鉄オルゴールチャイムも編集…)

御耳障りでしたらカットされて下さい。

10月31日

バンコク中央(ファラポーン)駅20:00始発

●東北線ノンカーイ駅行き 寝台特急25レ



あっ!それと追記です。別の方が書かれていた食堂車の従業員のジュース販売、来ました来ました。ウエルカムドリンクのようなイメージでジュースを出され、無料かな?と思いきや、後から料金回収に来ます。そんなに高価じゃなかったので、私は頂きましたが…。


初めてなので、食堂車にも行ってみました。お客さんガラガラ。
私はデザートタイムなので、ヤシの実ジュースで…。

さて一夜明けると、そこはタイ東北部イサーン地方。今回、この列車、タイ国鉄さんに似合わず?なんと!完全に定刻で運行。やればできる子になりました…。


11月1日

ウドンターニー駅 翌11月1日  5:53着

(当日の遅延無し)(駅前のセブンイレブンで朝食購入) 


タイ東北北端では大きな街「ウドンタニ―」で6時前に下車。ここから引き返します。手前で降りても、早朝過ぎることと、接続列車が無かったので…。「ウドンタニ―」駅は完全に非自動制御の駅。手動の転轍機(ポイント切替機器)に腕木式信号、懐かしい雰囲気。バンコクを私の乗った寝台特急の後に出た、快速夜行列車が約30分遅延で到着。

↓ウドンターニー駅 横には貨物ホームと貨物倉庫 定番の地方駅の建物配置です。タイでも同じですね。



↓ウドンターニー駅のお手洗いは有料 シャワー室もあるようですね。


↓ウドンターニー駅の時刻表




↓ウドンターニー駅のホーム上にある手動ポイント切替装置の部屋




 


ウドンターニー駅7:36発

●東北線 急行76D バンコク中央(ファラポーン)駅行き

ブアヤイ分岐駅10:35着

(当日の遅延約15分)




ブアヤイ分岐駅12:20始発

●東北(バイパス)線 ケンコイ分岐駅行き434D

ケンコイ分岐駅17:10終着

(当日の遅延 無し)


ケンコイ分岐駅18:15発

●東北線 ウボンラチャタニ―駅行き 快速145レ

ナコンラチャシーマー駅21:15着

(当日の遅延状況:約50分遅延)

ナコンラチャシーマー駅23:59発

●東北線 バンコク中央(ファラポーン)行き 寝台特急24レ 2等開放寝台利用

11月2日

バンコク中央(ファラポーン)翌11月2日 5:15終着

(当日の遅延状況 約20分)

この日はこのままメークロン線へ移動。



この路線は予想通り、私の好きな秘境ローカル線の魅力を満喫できました。

秘境ローカル線の魅力とは?

●風景が楽しめる。

この路線では、前述したダム湖の風景はもちろん、タイ東北部イサーン地方の穏やかな高原地帯の風景を堪能できる。

●秘境駅を楽しめる。

この路線は沿線人口が希薄で、ホームには簡易な屋根だけしかない秘境駅のような無人駅が連続します。

※さらにはホームで牛たちが、のんびりと草を食んでいた無人駅もあり!(↑上の写真)

こんな駅で、独りで降車したらどうなるんだろう。牛たちから歓迎されるのかな?

(私は、約20年前、2000年頃、マレー半島縦断鉄道旅でマレーシアの無人駅で似た光景を見たことがあります。)



●乗客が少ない、車内でのんびり過ごせる。

今回のこの路線では、県境を越える区間で、私の乗る車両に他1名しか乗客がいない状況まで少なくなりました。あまりに少ないのも寂しいですが、車内でボックスシートを占拠して、のんびり過ごせるのは確かです。

(↓ついに県境では私1人に…後部の車に他に数名の乗客がいます)

今回は、久々に窓の開く開放的な車両に乗れて嬉しかったので、座っているのはもったいなく、立って上半身を窓から外に身を乗り出して車窓を満喫しました。

(熱帯気候ですから雑草の成長は早く、茎の硬い元気の良い植物が多いので、窓から顔を出す際は、十分注意が必要です!)

↓なだらかな地形のタイでは、非常に珍しいトンネル このケンコイ-ブアヤイ線に1箇所あります。



私は過去に以下の路線で、自分の乗っている車両が貸切(他に乗客が皆無)になった経験があります。

(車両形式から、私も齢を重ねオッサンになったな…と思います)

中国 山陰本線 特牛(こっとい) 50系客車

・九州 筑豊本線 冷水峠 50系客車

・九州 日田彦山線 大行司 キハ66+67

・九州 吉都線 スハ43系 旧客レ

・九州 日南線 串間 キハユニ26

・四国 土讃線 大歩危 50系客車

・四国 土讃線 土佐久礼 キハ20

(⇒高松深夜始発のキハ58夜行の中村行、高知で増結したキハ20日曜だったのでガラガラでした。懐かしい四国の夜行ダイヤですよね…)


これらの魅力を兼ね備えたタイ国鉄のローカル線 大好きになりました。


【東北線ケンコーイ分岐駅-ブワヤイ分岐駅間のバイパス線(ケンコーイ=ブワヤイ線)の閉塞方式は何なのか?】

タイでは地方路線に行くと、今でも非自動閉塞が使用されていて、タブレット(通票)交換が行われ、私のような昭和世代のオッサン鉄ファンには、実に懐かしい光景を楽しむことができます。

この東北線ケンコーイ分岐駅-ブワヤイ分岐駅間のバイパス線(ケンコーイ=ブワヤイ線)は、非自動閉塞で、大きな駅では、駅の事務所から閉塞扱いの「コン・コン」と閉塞機械の鐘の音が聞こえるものの、列車には通票 タブレットは持参させていませんでした。(?)

あれ?

調べたら、非自動閉塞の中でもタマを列車が収受しない「連査閉塞方式」であることが分かりました。(Wikipediaから)

でも動画のように信号取り扱い各駅では、駅員さんが常駐、駅長氏の出発合図に合わせて駅舎内の信号てこを扱い、腕木式信号機・ポイントを操作されていました。これだけでも十分懐かしい・・・。



【わざわざ遠回りして寝台列車に乗る!】

11月1日の夜は、バンコクで宿泊できる行程なのを、わざわざ遠回りして、夜行に乗りました。(日本に例えると? 大井川鐵道さんに乗り、当日、静岡から東京まで行けるところを、わざわざ大阪に行き、サンライズ瀬戸で東京に向かったというイメージかな。タイ国鉄さん運賃が良心的なので、こんな芸当ができる! 寝台列車の乗車運賃が、寝台料金込みで、中級ホテル宿泊とほぼ同じ(少し高い程度の)価格になるため。今回、遠回りした幹線の拠点駅(ナコンシータマラート駅)では、夜行列車の行き交う夜の拠点駅の雰囲気を満喫させて頂きました。単線手動扱いだし荷物扱いもあるし、駅長氏も常にホームに出ている状況でのんびりする暇が無いほど忙しい。さらに旧客レの夜行の場合、この駅で、水タンクを追加補充する作業で10分程度停車するし、夜中でも各種販売員さんたちが駅構内にたくさんおられるし…。窓が開くので、窓から色々購入する客多数。11月1日は少し寒い夜でしたので、温かい麺料理が飛ぶように売れていました。多分、昭和30-40年頃までの日本も同じ光景だったのでしょう。昭和30年代、急行霧島号(西鹿児島⇔東京)の10系客レで東京-鹿児島間を往復していた私のお袋の経験談を実際の風景として見学できたのは新鮮な経験でした。ずっとビデオ撮影していたら、駅長氏がモノ好きなヤツだな~と見ていました。疑われ?ないよう私は自ら新型夜行の寝台券を見せたら笑顔で案内して頂きましたが、ごめんなさい、タイ語全く分かりません…。


この駅名表示板のデザイン どこかで見たよな~…と思いきや…


【この旅行の行程】

10月31日

バンコク中央(ファラポーン)駅20:00始発

●東北線ノンカーイ駅行き 寝台特急25レ

ウドンターニー駅 翌11月1日  5:53着

(当日の遅延無し)(駅前のセブンイレブンで朝食購入)

ウドンターニー駅7:36発

●東北線 急行76D バンコク中央(ファラポーン)駅行き

ブアヤイ分岐駅10:35着

(当日の遅延約15分)

ブアヤイ分岐駅12:20始発

●東北(バイパス)線 ケンコイ分岐駅行き434D

ケンコイ分岐駅17:10終着

(当日の遅延 無し)

ケンコイ分岐駅18:15発

●東北線 ウボンラチャタニ―駅行き 快速145レ

ナコンラチャシーマー駅21:15着

(当日の遅延状況:約50分遅延)

ナコンラチャシーマー駅23:59発

●東北線 バンコク中央(ファラポーン)行き 寝台特急24レ 2等開放寝台利用

バンコク中央(ファラポーン)翌11月2日 5:15終着

(当日の遅延状況 約20分)

この日はこのままメークロン線へ移動。


路線図上にケンコイ分岐駅の表示がありませんが、サラブリ―駅のすぐ右横(東隣り)にある駅です

鉄道好き亭主 台鉄からタイ鉄への旅

「鉄道好き亭主のぶらり旅」 https://internationalrail.exblog.jp/  の別館で、台湾鉄道旅行が好きな私が、新たに訪問したタイの鉄道やバス旅行記を掲載します。

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